ヘルプデスクとは、顧客から寄せられる問い合わせや、社員からのシステムの使用方法、トラブルに関する問い合わせに対応するための窓口です。顧客や社員が自社の商品やサービス、社内システムや設備を正しく使うために欠かせない存在となっています。
そんなヘルプデスクの業務にボイスボットやチャットボットなどのAI(人工知能)を導入することで、普段の業務のひっ迫を改善し、抱えている業務が時間内に終わらないといった事態を改善することが可能です。
本記事では、「ヘルプデスクにAIを導入したいが、きちんと対応してくれるのか不安」「ヘルプデスクにAIを導入した場合の効果やメリットを知りたい」といった方に向け、ヘルプデスク業務にAIを導入するメリット、導入時に検討すべきことを解説します。
Contents
ヘルプデスク業務における課題とは
ヘルプデスク業務における課題とは、社員や顧客からの問い合わせが多いことで業務時間が遅延することや、問題の問い合わせから回答までに時間がかかることなどがあります。具体的には、以下のような課題があります。
- 問合せから回答までに時間がかかる
- 対応品質にばらつきが出る
- 同じような質問に多くの工数がとられる
以下、詳しく確認していきましょう。
問合せから回答までに時間がかかる
まず、問い合わせから回答まで時間がかかることが挙げられます。
ヘルプデスク業務は社員や顧客からの業務上の問い合わせに対応する職種なので、実際の業務のフローや使用するシステムなどについて把握し、的確な回答をする必要があります。そのためには、回答に時間がかかることも多いです。
対応人数が少ないケースや問い合わせ数が多すぎるなどの課題があれば、ただでさえ時間のかかる回答業務が遅延し、それだけで一日が終わってしまうこともあります。問い合わせ業務だけで業務時間が過ぎれば、他の業務は残業でカバーするしかなくなります。
対応品質にばらつきが出る
次に、回答の対応品質に差が出ることも課題として挙げられます。
回答内容そのものは同じであっても担当者によって言葉遣いや対応方法などが異なり、経験年数による知識の差などもあるので、対応品質に一貫性をもたせられません。
また、すぐに回答できる場合とそうでない場合などでは、回答時間に差が出てしまうでしょう。
同じような質問に多くの工数がとられる
同じような質問が何度も寄せられた場合は、その解決のために担当者は多くの時間をかけなければなりません。
社員同士の情報検索と共有がうまくいかないことにより、ヘルプデスクには同じような問い合わせが何度も寄せられるケースがあります。担当者は繰り返される質問に辟易し、モチベーションの低下やストレスの蓄積などの問題に発展する可能性があります。
ストレスが蓄積しやすい環境であれば、ヘルプデスク担当社員の業務の質低下や離職なども考えられるので、ヘルプデスク業務の環境改善は必須事項なのです。
解決策としては、社内FAQやAIを用いたシステムの導入が挙げられます。
ヘルプデスク業務にAIを導入する5つのメリットとは?
ヘルプデスク業務にAIを導入することで、上記で挙げた3つの問題点を解消することが可能です。具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 業務における負担軽減と効率化ができる
- 365日24時間対応ができる
- 顧客および従業員満足度の向上が期待できる
- 品質の向上及び均一化ができる
- 社内ヘルプデスクの場合一次対応により問題を明確化できる
1. 業務における負担軽減と効率化ができる
ヘルプデスクにAIを導入することで、業務における担当者の負担軽減と業務効率化の実現が期待できます。
頻繁に寄せられる定型的な問い合わせに対しては、それらをAIの機能に代替させることで社員が余計な時間を使うことなく、優先順位の高い問い合わせへの回答や他の注力すべき業務に集中できます。重要な質問への対応がしやすくなることで、回答の迅速性も上がります。
また、必要な業務に時間を充てられるようになることで、担当者は人にしか出来ない業務に集中でき、業務効率化が期待できます。
2. 365日24時間対応ができる
ヘルプデスク業務にAIを導入することで、365日24時間対応させることが可能になります。いつでも問い合わせに対応できることで、社外の顧客は商品やサービスに対して感じた疑問をいつでも解決できるので、顧客満足度の向上が期待できます。
また、社員にとっても、問い合わせ対応のために休日や夜勤に出社する機会が減るので、従業員満足度の向上につながるのです。
3. 顧客および従業員満足度の向上が期待できる
ヘルプデスク業務にAIを設置することで、顧客と社員の満足度の向上が期待できます。
顧客満足度が向上すると、顧客の企業やそのサービスに対する信頼性が高まり、さらなる企業利益につながることが期待できます。社員の満足度が向上すると、離職率が低下し、社員の定着率の向上や、優秀な人材が離れるリスクを下げる効果が期待できます。
人員採用にかけるコストも削減できる点もメリットに挙げられるでしょう。
4.品質の向上および均一化ができる
ヘルプデスクの対応品質を向上、均一化させられることもAIを導入するメリットの1つです。
ヘルプデスクは担当者の経験や知識の習熟度によって回答がバラつくことがありますが、AIに対応させることで、担当者ごとの対応の差をなくすことが可能です。これにより、従来では部署ごとの研修やトレーニングで回答を合わせる必要がなくなります。
担当者の研修やトレーニングにかける時間も削減できるので、メリットが大きいです。
5. 社内ヘルプデスクの場合一次対応により問題を明確化できる
社内ヘルプデスクの一次対応を自動化できるだけではなく、AIはとくに多い質問や有人対応が必要になったケースなどをデータ化して蓄積できます。
ヘルプデスクに寄せられる全ての問い合わせのデータを蓄積することで、社内に問題が発生した際の状況をより明確に判断できるのです。
これによって、社内の問題を明確化して分析し、解決しやすくなります。また、人によってはオペレーターへの質問をはばかるような些細な疑問でも、AIサービスを設置しておくことで気軽に質問できる環境を作れるのです。
ヘルプデスク業務にAIを導入するデメリットはある?
ヘルプデスク業務にAIを導入することには、以下のようなデメリットも存在します。
- 導入および継続コストがかかる
- AIへの学習やシナリオ構築に時間がかかる
- 臨機応変な対応ができない可能性がある
導入および継続コストがかかる
ヘルプデスク業務にAIを導入する際や運用の継続にはコストがかかります。
必要な金額は会社により異なりますが、導入の初期費用や運用時は月額の利用料などが発生するので、事前に料金プランを確認しておく必要があるでしょう。
ただし、コストを支払った分、業務負担の軽減による時間の節約や人件費の削減につながるため、最終的なコストパフォーマンスは良いと言えます。
AIへの学習やシナリオ構築に時間がかかる
AIへの学習や回答のシナリオ構築に時間がかかる点もデメリットです。ヘルプデスク業務にAIを導入する際は、それぞれ異なる問い合わせに対し、どのような回答をするかを設定する必要があります。
ただし、一度シナリオを構築してしまえば、その都度必要に応じた修正のみ行えば良いので、大きな手間はかかりません。
臨機応変な対応ができない可能性がある
AIは事前に設定したシナリオやキーワードに沿って対応するので、臨機応変な対応ができません。
過去に例を見ない内容の問合せや予測できないトラブルに関する事項など、AIではどうしても対応しきれない場合があります。ただし、質問内容をもとに人の手で回答のシナリオを微調整し、精度を上げていくことはできます。
定型的な業務にはAIを導入し、それ以外の臨機応変な対応が必要なケースや専門知識が必要なケースでは人が対応するといった方法で、上記のデメリットを軽減することが可能です。
ヘルプデスク業務にAIを導入する際に考えたいこと
ヘルプデスク業務にAIを導入する前は、以下の2つの点を考慮しておきましょう。
- 費用対効果に問題はないか
- 自社のニーズに合っているか
費用対効果に問題はないか
費用対効果に問題ないかどうかは、事前に確認しておくべきことの1つです。
AIを導入する際のランニングコストや人件費などを考慮し、長期的に見て費用は適切かどうかを確認しましょう。
自社のニーズに合っているか
AIの導入が自社のニーズに適しているかも重要なポイントです。
例えば、社内ヘルプデスクで同じような問い合わせが多い場合、AIに対応してもらうことで課題の解決になります。
しかし、社外でのトラブルや専門的な内容の問い合わせなど、最終的に人が対応しないと解決できないパターンが多い場合、AIを活かしきれない可能性があります。
ヘルプデスクに寄せられるトラブルや問い合わせにどのような内容が多いかを考慮し、AI導入を検討しましょう。
ヘルプデスク業務の自動化ならドコモの「AI電話サービス」
ヘルプデスク業務の自動化には、ドコモが提供する「AI電話サービス」というソリューションの導入がおすすめです。
AI電話サービスは、音声認識技術により自然な会話が可能で、会話相手の名前や質問内容などの情報収集力も高く、質問に対する回答も素早い点が特徴です。このため、予約受付業務の代行による顧客満足度の向上が見込めます。
また、顧客関係管理(CRM)システムやチャットツールとも連携させられるので、顧客に向けた商品やサービスのご案内・お支払い状況の確認などにも対応できます。
詳細は以下のリンクからご覧ください。
まとめ
ヘルプデスク業務は、AIの導入によって効率化することが可能です。
ヘルプデスク業務にAIを導入することによって、社員の業務負担を軽減したり対応品質を均一化させることで、顧客満足度や生産性を向上の効果が期待できます。
ドコモのAI電話サービスは、自社のヘルプデスク業務をサポートするためにおすすめのAIサービスです。ヘルプデスク業務の効率化と対応品質の向上を考えている場合は、ぜひ導入をご検討ください。